公正証書遺言
ご本人の亡くなった後、遺産をめぐって、相続人間で争いが生じることがあります。
片親の違う子がいる場合、先妻の子と後妻が相続人の場合には、協議が整わないケースが多いように思いますが、実の兄弟間でも協議が整わないケースが増えてきています。
相続人の人数が多い場合、子どもがおらず兄弟(甥、姪)が相続人の場合、相続人が多数の場合も紛争となるケースが多いようです。ご本人が亡くなった後、相続人が争わないためにも、遺言を作成することは有益です。
自分で全文書いて署名する自筆証書という簡便な方法もありますが、法律の専門家が作成する公正証書遺言の方が内容的にも確かです。
1.ご本人の意向をお聞きし、遺言書の骨子を作成します。
2.ご本人及び遺産をあげたい人の戸籍謄本、住民票や、遺産となる不動産の登記簿謄本などを取り寄せます。
3.公証人と事前に打ち合わせを行い、遺言の内容を確定させます。
4.作成当日は、ご本人に公証役場に行ってもらうことが原則ですが、公証人に自宅などに来てもらうこともできます。
証人は2人必要ですが、1人は弁護士がなることもできますし、要望があればもう1人の証人を手配します。
公正証書遺言作成の手順は次のとおりです。
遺産分割
遺産分割をする際の手順は次の通りです。
1.相続人となる人の戸籍謄本などを取り寄せ、相続人が誰であるかを調査します。
2.不動産登記簿謄本、銀行の残高証明書を取り寄せ、故人の財産を調査します。同時に、その評価額についても調べます。
3.ご本人の希望をお聞きした上で、遺産分割協議案を作成します。
相続人の中に、生前、学費や住宅建築資金として、故人から生前贈与などで多くの財産をもらっている人がいないか、他の相続人より故人の世話を多くした人(寄与分)がいないかについても考慮します。4.ご本人の希望がかなうよう、粘り強く交渉します。
5.裁判外の話し合いが困難な場合には、家庭裁判所に調停、審判の申立をすることもあります。
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6.協議ができた後、遺産の名義変更、銀行などの払い戻しや、金銭の分配などをお手伝いすることもあります。
遺留分減殺請求
故人の遺言があって、相続財産が全く(ほとんど)もらえないという相談を受けることがあります
相続人が子ども、夫婦、親の場合、多くもらいすぎた人に、遺留分を請求できる場合があります。
遺留分減殺請求には期間(1年)の制限がありますので、早めに相談して下さい。
相続放棄
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故人は財産を残すとばかりは限りません。借金の方が多い場合もあります。
亡くなって何か月か経った後、故人の債権者から請求を受ける場合もあります。
相続人には相続を承認するか、放棄するかを選ぶことができます。相続放棄すれば、故人の借金を、引き継がなくてもよいことになります。
相続放棄には、期間(3か月)などの制限がありますので、早めに相談して下さい。
知っ得法律コラムには、当事務所が扱った様々な事案が紹介されていますので、よろしければ是非ご覧下さい。